活版印刷 in 札幌

2020.2.3

いよいよ雪まつりが始まりましたね。
札幌は今年は本当に雪が少なくてあまり冬!という感じがしませんでしたが、昨日の降雪ですっかり冬景色に変わりました。

そんな中、先日日章堂印房さんで活版印刷のワークショップを体験してきました。
活版印刷は凸版で特に柔らかい紙だと印刷部分が凹凸になり、その風合いが注目されて最近人気ですよね。
今はほとんどパソコンでデザインや文字の配置して、そのデータから製版おこして印刷するのが主流だと思いますが、日章堂印房さんでは文字版1つずつを組み合わせて印刷をします。

ちなみに、日章堂印房さんは酒井さん親子お二人で切り盛りされている札幌で唯一(?)の活版印刷屋さんです。創業は留萌で途中で札幌に移られて、90年以上続く老舗です。
北海道で90年てすごいですよね。文字版の中には創業当時からお使いのものもあり、お母さんの宝物とおしゃっていました(素敵)

活版印刷 何と言ってもその版を作る工程がすごい!!
文字版を一文字ずつ拾っていくのですが、この文字班膨大な量がある上に、
あいうえお順に並んでいるのではなく部首の画数順で並んでるのでどこにあるのか分からない、、、
(ワークショップ中に文字の並びや探し方を丁寧に教えてもらえます)

左手の箱の中(文選箱)に、文字を逆さに並べていき全部並べ終わったところで、専用の台(植字台)でデザイン図に合わせて隙間を埋めていき、印刷版が完成します。

作成した版を印刷機にセットするために枠の中に配置し隙間を埋めるブロックを入れて、枠を締めて版を固定します(この辺はお母さんにやっていただきました)
インクパンはどこになるのかと思ったら、印刷機のオレンジ色の部分で、ここに少量のインクを置いて伸ばしていきます。
分かりにくいですが、円盤の下の垂直部分に版をセットして、その手前の白い部分に紙を入れ、レバーを引くと版と紙がくっ付いて印刷されるという仕組みです。

何がびっくりかというと、1枚ずつ紙を差し込んで、1回毎にレバーを下げる(しかも結構力が必要)。多色刷りになる時はこのインクも版も入れ替えて、同じ工程を行う。
正直、大判で印刷して裁断するのかなと思っていたので、この手間暇のかかる工程にびっくりしました。
だからこそ和紙耳付きのような紙にも印刷ができるんだなと。
下の写真は、札幌で唯一の手漉き和紙工房の北の紙工房 紙びよりさんのご好意で和紙に印刷させてもらいました。写真左上が「耳なし」で下が「耳あり」です。

ちなみに、普通の白い紙にも印刷させてもらったのですが、ここまでシンプルなデザインだと寂しい感じになってしまいました。活版印刷は紙も選んでこそ良さが活かされます。

こんなに長く書いて、読んでくれる人がいるのか謎ですが、、、
活版印刷で私が疑問に思っていたことを最後に書こうと思います(初歩的な話ですが)
○ 紙が大判&断裁なのかどうか → 一枚ずつなので自由度が高そう(位置合わせの難しさもあると思うので要相談ですが)
○ ロゴやイラストを入れたい場合はどうするのか →(日章堂さんの場合は)外注で亜鉛版を作ることができる
○ 掛け合わせ(写真など)できるのか?→ 不可

私としては、オフセット&活版印刷で名刺を作りたいなと考えてるとこです。

今回のワークショップ:
日章堂印房 札幌市営地下鉄 琴似駅5分程度
活版印刷の全工程(文選〜印刷まで)& 名刺100枚付き
ご興味ある方ぜひ。

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